ガス自由化による今後の展開

ガスの自由化が始まります

2016年の小売全面自由化に伴い、電力から始まり今度はガスも自由化が始まります。既存の地方企業や、大手企業の参入などさまざまな可能性が考えられますが、一体何を基準に選べばよいのでしょうか。電力自由化を例に考えると、まずは料金プラン。各社競争に打ち勝つため新しいメニューが出たり、これまでの供給エリアを越えて販売を始めています。よく聞くのは携帯代や家賃と一括で支払いできるプラン。
携帯代と毎月の光熱費が一緒に支払えて、さらにポイントが溜まるなんて便利ですよね。このように、まず気になるのは各社の料金プランです。消費者としては、これまでの独占市場へ大手が参入し価格競争となり、ガス代が安くなるといいなと感じます・・。しかし、現在でも都市ガスが普及していない地域ではプロパンガスが置かれ、地方の中小企業がその市場を独占しているように思います。
新しく参入してくる企業・既存の企業ともにどのようにしてこの小売全面自由化に対応していくのでしょうか。一消費者として、今後の動向を見ながら、自分の購入先を検討していきたいと思いますが、企業は、より消費者を増やしていくために、新たな料金プラン等を打ち出すかと思いますが、その中からひとつだけ購入先を選ばなければならない為、消費者もある程度の予備知識を身に付ける必要がありそうです。

原発稼働で安くなるガスと電気のセット料金

2016年の電力に続き、2017年4月から都市ガス小売りも全面自由化されました。電気と違って都市ガスは卸売市場がなく、独自に天然ガスを調達しなければならないことなどから、新規参入業者は多くありませんが、首都圏や京阪神ではLPガス業者や電力大手が参入し、ガスと電気のセット料金で都市ガス大手と競い合っています。新規参入側がより安い料金を打ち出し、都市ガス大手がこれに対抗する形で価格競争に入っていますが、さらに料金値下げの動きが出てきました。
電力大手が持つ原子力発電所が再稼働することに伴い、電気料金の値下げを打ち出しているからです。福井県の高浜原発が再稼働した関西電力は、8月から電気料金の値下げに踏み切ると発表しました。その分、ガスと電気のセット料金にも影響が及び、値下げされる見通しです。これに対し、大阪ガスは関西電力の動向をうかがいながら、料金面でも対抗措置を検討しています。
関西電力は電力自由化からの1年間で30万件以上の顧客を大阪ガスに奪われましたが、ガス自由化で15万件の顧客を取り返しています。競争は電気やガスの個別販売より、ガスと電気のセット販売が中心になっていますから、原発稼働の影響は非常に大きいわけです。今後、こうした動きは京阪神以外の中部や九州にも及びそうで、各社が打ち出す新料金からますます目を離せなくなりそうです。